今回のトピックは2つ。
- 日本のGDPが5期ぶりに大きくマイナス成長になってしまった事。
- 2月20日に1ドルが112円まで一気に変化し、円安に振れた事
この2つの事実をいかに投資チャンスに変えるか?と言うテーマです。
お付き合いいただければ。。。!
GDPが大きく下落!?何があったかわからない?なら中身を見に行こう

先日、日本の10月〜12月のGDPが発表になりました。どのような結果かと言うと、
5四半期ぶりのマイナス成長に下落!消費増税の影響が重い!
と言う結果になり、大いに世間の話題になりました。
Twitterの反応を見てみると、以下のような意見が多く見られましたね
日本政府「消費税率を10%に引き上げます」
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) February 17, 2020
大衆「じゃあ買い物はなるべく控えよう」
↓
内需総崩れでGDP減
日本はGDPの8割以上を内需が占める超内需国なんだから当然の結果。
内需国の日本で2度も消費増税し、内需の総崩れを引き起こした安倍政権の無能さは犯罪的だな。https://t.co/UK3Xg3ImFP
【非難】日本の消費増税「大失敗」、米紙が社説掲載https://t.co/DOBeDWPFCV
— ライブドアニュース (@livedoornews) February 19, 2020
昨年10~12月期のGDP急減は「当然」と指摘。新型コロナウイルスの感染拡大にも触れ「増税のタイミングとしては最悪」と記した。
多くの個人も、メディアも今回の消費税増税が『GDPの5期ぶりの下落』に繋がったと言う意見を表明しているようです。
では、本当にそうなのか?GDOの中身を見て、きちんと理解しにいきましょう。(だって中身見てたら株のチャンスとかわかるし、、、)
GDPの内訳はこう!下落の犯人を突き止める

GDPでもなんででもですが、何かのニュースが出てきたら、まずは中身を確認しにいきましょう。
今回は私が中身をわかりやすく用意しました!
以下の図が今回のGDPの内訳です。

実質GDPの内訳を見てもわかるように、
日本のGDPは以下のようにできています
- 個人個人の消費額(55%)
- 企業が行う設備投資(17%)
- 政府支出(25%)
- 輸入−輸出(これはほぼ0になります)
今回の数字を見てみると、個人消費が−6.2%と大きく下落しているのがわかります。
企業による設備投資と合わせて、この2つがGDP下落の犯人!と言う認識で間違いはないようです!
皆さんの予測は大正解です!
当然ではありますが、
消費税が上昇→実質的な値上げ→贅沢品などの消費が現象→GDPの個人消費下落
と言う流れです。
はい。ここで終了したのではなんのためのブログかわかりません。
ここからさらに深掘りしていきます
軽減税率ってあったよね?あれはどうなったの??

では、次に見ていくのは『個人消費の中身』です
GDPが下落した→中身を見ると個人消費が下落した→個人消費の中身を見にいこう!
と言うわけです。
そう言えば皆さん気になりませんか?食品系には『軽減税率』とかが導入されてたじゃないですか
その効果ってあったのかな?って
中身を見ていきましょう。
結論から言いますと、個人消費の現象には大きな特徴がありました
個人消費の中身を分けていくと大きく3つに分かれます
- 耐久財
- 半耐久財
- 非耐久材
と言う3種類です。具体的にどんなものがあるかと言えば、、、
- 非耐久財:単価が安くて、購入頻度の高いもの。食品や化粧品など使用期間はだいたい1年未満
- 半耐久財:耐久期間は1年は超えるけども、そこまで長くは使わないもの。衣類やバッグなど
- 耐久財:単価が高く、長く使えるもの。筆頭は自動車
と言う風に分けられます。そして、今回発表されたGDPによると

非耐久財:軽減税率の効果もあって下落幅は小さい(2019年7〜9月から3%下落)
半耐久財:消費増税の影響を受け、大きく下落。(下落幅は6%超え)
耐久財:ここの下落幅が非常に大きい。特に車の購入額が大きく下落。全体での下落幅は13%に迫るほど

実際に、店舗別の売上高推移を見てみましょう
百貨店(やや贅沢品おおめ)は駆け込み需要と、消費増税の反動がスーパーやコンビニよりも大きいとわかります。

今回のGDP下落を中身まで詳しく見てみるとこう言う事がわかります。いったんまとめてみましょう
①GDP悪化の原因はほぼ間違いなく消費増税。その証拠に個人消費が大きく下落
②ただ、軽減税率の効果はしっかりと現れていた。食品などの非耐久財の下落幅は比較的軽微
③ダメージが大きいのは、やはり大きな買い物。特に自動車の購入者数の激減が大きなインパクト
と言う感じです。
ここまでが『GDP下落』の中身です。しかしこれだけでは投資チャンスは見えてきません。
ここからは『株式投資のチャンスという視点』で考えていきます
GDP下落発表を受けての株価下落は??

さて、実際に株価との関係を見て、株におけるチャンスを探ってみましょう。
以下のグラフを見てください。これはGDPが発表された日の日本株のセクター別騰落です

コロナウイルス流行のニュースも重なっているため、中国関連のセクターも下落しています(鉄鋼・金属・機械など)
しかし、これを見て注目すべき点は
食料品・医薬品・サービス業の下落が大きいという事です
以上の3つのセクターは普段『ディフェンシブ銘柄』と言って、あまり株価が動くことはありません。
基本的には、『輸送機器(車など)』『機械』『精密機器』というような景気によって業績が左右されやすい業種が大きく上がったり、下がったりします。
しかし、この日はディフェンシブ銘柄に売りが出た。つまり
『マーケットは明らかにGDPの弱さ=個人消費の弱さ』をリスクとして認識したということがわかります。

では、ここからが重要な項目です。
問題は
『この下落が続くかどうか?』です。
続くようならGDPの下落という理由で下げているので長期間にわたる下落が続く可能性が高いからです
では、翌日の株価騰落を見てみますと、、、
セクター別騰落から未来を予測する!


今度は一転して、シクリカル(精密機器などの景気敏感株)が下落幅が大きく、ディフェンシブは下げ幅が小さい変化になりました(食料品が顕著)
(この日の前日、アップルは売り上げ見通しを下方修正しているニュースがありました)
つまり、GDPの影響より、アップルの売上の方が市場は重要だと判断したということです。
セクター騰落からこの考え方ができるようになると非常に勝率が上がります。
なぜなら、この2日間のセクター騰落からこのように推理することができるからです。
- 1日目:本来下げにくいはずのディフェンシブがGDPの個人消費の弱さを受けて下落した→これは長期間落ちるかも??
- 2日目:市場はGDPよりもアップルのニュースを重要視している、、、→原因はコロナウイルスだから終息次第上がる!
つまり、ここで下落したら買い場!そうでないなら上昇がしばらく続く!
という予測ができます。
セクターの騰落をこのように使用して、戦略を立てることもできます。
是非お試しを!
では2つ目の謎!1ドル112円の真実を見にいきましょう!
1ドル112円の急激な円安へ!これって何が原因なの???

2月20日、いきなり為替に大きな動きがありました。
前日まで1ドル109円=110円ほどだったのが、いきなり111円を超え、夜には112円まで上昇したのです。
為替に疎い方には難しいかもしれませんが、これはかなり異例に動きです。株価で例えるならSP500が1日で5%動いた!ほどの衝撃でした。
この動き、詰まるところ、急激に円安になった。ということなんですが、これを受けて多くの方がかなり悲観的な意見を出していました。
今日はコロナ関連のヘッドラインを受けて、昼過ぎからドル買い円売りの流れが加速。
— まーやん💹節約大好き銀行員 (@maayaaa55) February 20, 2020
節目の1ドル=112円もあっさりと超えました。
1ドル=111.49、111.495、111.50に2億ドルずつという『尋常ではない』ドル売りオーダーがあったにも関わらず、この様相。
相当な円売り圧力がかかっているようです😓 pic.twitter.com/R7Xfeqbgno
コロナウイルスとの関連を疑っている人もいれば。。。
1ドル112円見えてきたな、おい笑
— D™ (@d_channel178) February 20, 2020
しかも円安の理由が、新型コロナへの日本政府の対応が杜撰すぎて、海外の投資家が
「日本やばいわ、円売ろう」
ってなってるの日本国民として悲しすぎるんだけど、
結果としてこの円安で利益出たから、なんとも言えない気持ちになってる。
日本政府の対応を批判する人もいます。
為替に正解はないのですが、ここではデータから、客観的に見ていきたいと思います
1日のドル円相場はどうだったのか!?他の通貨も見ながら見ていこう!

では、実際にドル円が大きく動いた日の為替相場を世界目線で見ていきましょう!

確かに、1日で円だけが、1.5%近く売られていることがわかりますね。
これでは、
『日本だけが見限られた!』『日本の対応が不味かったんだ!』
という意見が出てくるのも納得です。
しかし、ほんとうにそうでしょうか??
今度はある程度の期間をとって、上記のグラフをもう一度見てみましょう。

以上のグラフは
『2月1日から』の対ドルの相場です。
円も含めてですが、軒並みドルに対して安くなっていることがよくわかります。
主要通貨であるユーロも円と同じような変化幅ですね。
つまり
『円だけが売られていたわけではない。真実はドルが他の通貨に対して全体的に高い』
ということがデータでわかります。

なぜ、ドルがこんなにも強いのかと考えた場合、大きく3つの理由が挙げられます
- ①経済指標が好調で、株価も好調だから
- ②コロナウイルスから地理的に遠く、優位性があるから
- ③ウイルスや貿易摩擦で売られていたドルの買い戻しが入ったから
以上の3つの理由が主な原因と考えられています。
結局のところ、今回注目すべきポイントは2つです
『為替を見る際は、1日だけの為替だけでなく、期間で見る』
『為替は世界中の通貨を同時に見ること』
以上の2点を守って正しく実態を把握することをおすすめします。
後書き

お疲れ様です
最近めちゃめちゃいろんなやることが増えてきて多忙のたりたりです
いろんな事業に挑戦するのは忙しさもやばいですが、楽しさ、ワクワクも大きいですね。
そんな様々な取り組みが評価され、なんと、この度
『マイナビ公式記事の監修者』になりました〜!!
♦️マイナビ公式記事の監修者デビュー❗️
— たりたり社長🦉資産運用相談受付中 (@taritariblog) February 20, 2020
お知らせです!
たりたりは、マイナビ様より、金融記事の監修者就任の依頼を受けまして
『監修者デビューいたしました!!』
月間PV3000万を誇るネット記事に名前を大きく書いていただけるようです!
これからもよろしくです!https://t.co/Xa5aC3BCEq
ありがとうございます!!
これからもいろんな方面で頑張っていきますので、是非是非応援お願いいたします!!!
追記します!

昨日の夜のドル円変化を受けての更新をさせていただきます、
上記で、『ドルは全体的に強いだけで、円が特別弱い訳ではない』と述べましたが、そうとは言えないような状況になりかけています、、
昨日の主要通貨の対ドルの騰落を見てみますと、
- ユーロ-0.2%
- 円-0.6%
という状況です。その他の主要通貨も軒並みドルに対して弱い状態という現象が続いています。
ここまででしたら、上記の指摘から大きく外れる部分は無いのですが、一昨日までの動きと昨日の動きとでは大きな違いがあります。
それは、昨日はリスクオフの動きだったのに円、ユーロ共に下落したということです。

株式投資の常識として覚えておいてほしいのが、
米国株下落、先行きに不安→日本円高!
というセオリーがあります。
ところが昨日はそのセオリーに反して、ドル高円安になっていました。
この動きがかなり特異で、もしかしたら1ドル112円台をブレイク!?
という懸念も広がっています。
日系企業は大きな為替変動を避けるために巨額を投じてヘッジをかけていますので、日本時間では、おそらく大きな為替変動は起こりません
問題は米国時間と月曜日の休日です、、
そこでもし1ドル112円を超えてしまうと、このまま115円(2つ目の節目)にまで到達する可能性も!?
という段階です。正直現在の段階では分からない事が多すぎます。また随時発表していきますので
続報をお待ちください!