突然ですけど、騙された経験はありますか? 騙すテクニックの1つに、嘘と真実を混ぜる。というものがあります。まあこれは有名。注目したいのは、全然関係ない出来事を超重要な事のように言うことです。実はこういう嘘というかミスリーディングは新聞でさえ行っています。騙されない方法、それをお伝えしていきます。
タンカー攻撃で原油が大パニック!?オイルショック再びか?

先日、ホルムズ海峡でタンカーが攻撃を受け大ニュースになりましたね。日本だけでなくトランプ大統領さえもコメントするほどの大事件でした。
そもそもなんでこんな大問題になったんでしょう。
それは攻撃された船が原油を運ぶタンカーだったからです。この船がどんな豪華客船だったとしてもこんなに大ニュースにはなりません。原油が絡むからこそ大事件になったんです
世界中、どこを見ても原油の影響力は非常に大きいです。日本でもオイルショックの時の社会の混乱状況は筆舌に尽くせないものでした。
では今回の事件は原油にどんな影響があったのでしょう??
タンカーが襲撃される→原油がもしかしたら届かなくなるんじゃ!?→今のうちに買っとかないと! っていうサイクルで原油の値段が爆上がりしました!
どれくらい上がったかっていうと
1日で4.5%も上昇しました!!これ実はめっちゃめちゃ上昇してるんです。
まあしっくりきませんよね笑
1日で4.5%上がると、1ヶ月後には3.7倍になります笑笑
1ヶ月の利回りが370%って 考えれば相当やばいって事が分かりますね、、、
オイルショック以上の影響になってしまうくらいの変化だったわけなんです
まあ、ここではざっくり、タンカー攻撃を受けて原油価格が急上昇したってことだけ覚えておいてください!
では、経済とか株はどうなったんでしょう!?
タンカー事件の後の経済は!?新聞さん!日本株の変動理由、それって正しいの??

タンカー事件を受けた翌日の日本の株価は上昇しました!
理由はいっぱいあるんですけど、原油価格があがると割と株価は上がることが多いです。
では新聞は日本の株価上昇をどう説明していたのでしょう
かいつまんで説明すると
原油価格の上昇によって原油を取り扱う会社(JXとか)を中心に株価が上昇したってことを言ってました。
たしかに原油の価格が上がれば、原油をやり取りする会社は売上が増加するので株価は上昇します。その中には国際石油開発帝石やJXTGといった大企業があるのも確かです。
では米国はどうでしょう?
米国も株価は上昇しました。アメリカもエネルギー会社(日本でも言った、石油などをやりとりする会社です)はかなり大きい企業で、それらを中心に大きく株価を引き上げていましたね
以上がざっくりとしたタンカー攻撃事件の後の、日米の両国の株価の動きでした。
両者に共通していたのは原油価格上昇がエネルギー会社の株価を上げたため株価が上がったってことでしたね
でもこれ実は、、、
アメリカはたしかにそうだけど、日本に関してはあまり正確ではない説明なんです
めっちゃ極端な例を挙げるなら
体重測定で、「今日は雨が降ってて服が湿気てるから体重が増えた!」って言ってる感じです
ん?わからない?ですよね笑
どういう事かというと
確かにエネルギー株の上昇によって日本株価は上がったかもしれないけど、その影響度ほとんどないやろ!って事です
では、本当はどんな原因で変動したのでしょうか??考えていきましょう!
その情報、本当に必要十分なの??大切なのは正しいか、だけじゃない!

では結論から言いましょう
タンカー事件を受けての日本の株価上昇。原因は円安です原油はあまり関係していません。
確かにエネルギーセクターは原油価格上昇を受けて株価が上がっていました。
しかし、そもそもエネルギーセクターは日本の株価に占める割合が大きくないのです、、、
つまりこういう事です
センター試験の点数を上げたいとき、50点満点の古文満点と、200点満点の英語の満点、どっちが影響力ありますか??
そして、日本の株価で大きな割合を占めるのが、自動車や機械といったセクターです。
つまり、日本の株価をみるなら見るべきは自動車や機械株!そしてその2つに影響を与えるドル円のレートです!

円安になっているのがわかる
基本的な事ですが、円安状態というのは輸出企業にとって非常に有利です。
何もコストカットしていないのに値下げができている。という状態になるからです。(これを読んでる人なら円安=輸出有利は知ってると思うのでこれくらいの説明です)
そして上の画像を見てください。円安になっていますよね。つまり自動車と機械の株価は。。。??

上がってますね!やっぱり。
つまり、日本株価上昇の理由は
円安になった事を受け、輸出企業であり日本株価に占める割合の大きい自動車、機械株が上昇。結果日本株価全体の上昇につながった。(エネルギーセクターの上昇は影響度は高くない)
ということです
一応なんで円安になったのか、なぜ自動車が買われたのか解説していきますが、これからはかなり複雑な経済の話なんで飛ばしたい方は全然飛ばしてください。
タンカー事件の前から、アメリカは経済活性化させるために政策金利を値下げする事を示唆していました。
金利を値下げすると、その国の通貨は魅力がなくなってしまう(持ってても金利つきにくいから)ので、ドル安(円高)にいく流れです
これを受けて、みんな円高になると思って日本の自動車株を売ってたんです
ここまでが前日
んでタンカー事件
タンカー事件を受けてトランプ大統領派イランを批判しました。これで中東情勢が悪くなるんじゃないかって思われます
景気悪化だったり先行きが不安なときに人気になるのが日本円なんです(詳しく知りたい人はリスクオフの円買い って検索)
んで、先行き不安を受けて、アメリカでは債券が買われます(債券買=金利安)金利安→ドル安
と円高、ドル安になる条件がかなり揃っていたんです
でも、実際の為替を見てみると全然円高にならない。むしろ若干円安になってる、、、(この理由はわかりません。為替はイレギュラーに動く事も多いのでこういうことはよくあります)
円高になると思って売っていた株を、円安(自動車有利)を受けて買い戻した!だから株が上昇したってのが今回の株価変動の本質です
多くの新聞やメディアでいってた事も間違いではないんですが、決して本質ではないというのが今回の注目ポイント!
ではどうしたら本質に気づく事ができるのか
数字は嘘をつかない!でも数字単体では意味はない

この記事の最初に書いたことを思い出して欲しいです
嘘のテクニックの一つに全然関係ないことを超重要な事のようにつたえるというものがあります。
この典型例はよく言われるがん保険のカラクリです
日本人の半分はがんにかかる よく聞く言葉ですがこれの真相は 80歳以上の2人に1人はがんになるって事です。 真相はがんで死ななくても他の要因で、、という感じなのですが印象操作を受けてしまいますよね
騙されないためには決して嘘をつかない数字をしっかりと見る事が大事です
ただ、それ以上に大事なのは、
その数字はどこから出てきたのか、何を示しているのか、%なら分母は何なのか考えること。そして他の数字と比較する事が大事です
きちんと数字を見る事ができれば、印象を排除して真相を見極められるようになる事ができます
この辺りの重要性は最近話題の本「fact fullness」を読むとかなり詳しく載っています。

新聞などの公的な役割をになう機関でさえきちんと情報を把握しないとミスリーディングを誘発してしまいます。
今回の出来事を通じて数字に対する感度を高めていきましょう!
あとがき
そういえばみなさんは保険入ってますか?
保険ってめっちゃ儲かるんですよね。都心の一等地には何社も保険会社の本社がありますし、NYのタイムズスクエアタワーの1番上の広告は生命保険会社だし

統計学的に保険の商品って絶対儲かるんですよね。
例えばメーカーとかって作った製品が売れないとダメですけど
保険商品って法律で決まってるんで、会社なんかどこでも同じなんです。で、売れば全体ではほぼ儲かる(長期なら99%以上の確率で儲かるんじゃね?)(商品が同じなら売れるかどうかは営業力)
保険商品を売ってお金を集めて、投資するってのが保険会社のビジネスプランです。いや〜マジでいいビジネスモデル。
なのはいいんですけど、最近大学時からの知り合いから割高な保険に勧誘されて本当にダークな気分になっちゃいました
投資業界の人間に良くない金融商品を紹介しても引っかかるわけないでしょ、、、
業界として、企業としてすごい優秀なんですけど、個人的に近づいて来られるのはちょっとつらいものがありますねっていう話でした笑笑